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これからトイフル行ってきます。
=あの世に行ってきます。

ついでに新宿でケーキ買ってきます。うん、うまい店があるのだ。
あとは紀伊◎屋で本だな。
ぶっちゃけ、それがメインだったり(えー
でも2時からだからそれから4時間缶詰で終わるの6時。
あんまり時間的に回れないだろなー・・・地図読めないからやたら回るのに時間かかるんです。号泣。

ということで、遺品的に(笑)、山童です。
どぞー








 怒気にまみれたその小さな姿は、あまりにも小さかった。







山童      壱拾弐の幕







「願いなど・・・それをアレに問うのか?!」
 幻殃斉の声が風に散る。
「幻殃斉どの、ご自分の身を守ることに、専念なさったほうが、よろしいかと」
 薬売りの言葉が終わるか終わらないかのうちに、山童がおもむろに手をあげた。
 毛深いその長い手が、薬売りたちを、指した。
 次の瞬間、突風に踊っていた紅葉が、一気に薬売りたちに叩きつけられた。しかし、それはすでに紅葉と呼べるものではなく。
「?!」
 刃だった。
「ぐっ・・・」
 風の中に舞う、赤。それは、小さくうめく薬売りからほとばしり、幻殃斉からこぼれた。
「えぇいっ!! 禁!!」
 幻殃斉が、印を結び、叫んだ。
 彼とて呪術師の端くれである。
 小さくその結んだ印が光、その光の輪が一瞬で広がり、彼と薬売りの回りに見えない張り巡らされた。
「少しはもつだろう・・・」
 その壁の存在がわかったのは、今さっきまで彼らの肌を切り裂いていた紅葉の刃が、彼らに届く前に何かに叩きつけられているのが、見て取れたからだ。
「・・・これは、これは・・・」
 珍しく素直に感心してみせる薬売りに、幻殃斉は印を結んだまま脂汗を浮かせた。
「長くはもたん。身共にできるのはこれくらいぞ。はやく、剣を抜け!」
「・・・なる、ほど・・・」
 薬売りは剣を構えた。
 薬箱から、天秤が一つ、出てきた。
「今からモノノ怪の位置もクソもなかろう!」
「今回は、位置ではなく、理を、たぐりよせる、ため」
「!」
 海坊主のときにも、見た。
 幻殃斉は息をのみ、自分は結界の維持に集中することにした。叩きつけられる紅葉は、その勢いをゆるめることをしらない。
「お前の、理は・・・」
 りん、と天秤の鈴が、鳴った。


 紅葉が、舞っている。
 ゆるゆると、はらはらと。
 その葉々の隙間に、小さな何か、動くものが見えた。
「・・・山童・・・か・・・」
 山童は、木を、植えていた。
「・・・・・・・・」
 その隣には、切り倒された木がある。
 斧があるところを見ると、自分できったらしい。
 一本だけ倒した木のそばに、小さな木の苗を、二本、植えていた。
 やがて二本の苗を植え終わると、山童は倒した木を薪にし始めた。

 あぁ、そうか。
 これは。

 紅葉が、音をたてて視界を遮り、ふとその赤が、いきなり白くなった。
 雪が、降っていた。

 白い雪原の中で、山童の赤黒い体は良く見えた。
 小さな洞窟のようなところで膝を抱え、見るからに寒そうだった。
 あれで、凍えてしまわないのだろうか。
 そんな薬売りの疑問をよそに、山童は立ち上がった。
 どこかへ、行くらしい。
 どこへ行くのだろうか。
 ふらふらと、危なげな足取りで、しかし目的地はある様子で、山童は山を降り始めた。
 黙ってみていた薬売りは、その目的地を、見つけた。
 大きな石が、あった。そしてその石に寄り添わせるようにしておかれた、酒と、あれは、確か・・・『はったい』。米や麦を煎り、焦がしたものだ。そして、むしろと蓑が置いてあった。
 山童は、それらを取り、またもと来た道を歩いていった。薬売りはついていかず、その石をじっと見つめていた。そこには、小さな立て札があった。明らかに子供の字で、「ヤマワロさま」と書かれている。
 
 あぁ、これは。
 これは、過去。

 突然突風が吹いた。暖かい風だ。
 あぁ、春一番だ。そう納得するまでにそう時間は掛からなかった。
 雪解け水の流れる音。鳥のさえずり、子供たちのはしゃぐ声。
 長く厳しい山の冬が去り、春がおとずれたのだ。
 山童は、少々秋より痩せた体をそっと、水の中に入れた。そして、もぐった。
 再び山童が顔を出したとき、それはすでに山童ではなかった。
 緑色のその体には毛は生えていない。
 河童。
 河童が、そこにいた。
 山童はこれから、河童となり、川を、下るのだ。

 いきなり、光が溢れた。かと思ったら、じりじりと薬売りの首筋を日差しが焼き始めた。
 光に目がなれ、あたりを見回せば、水田が広がる。広がった水田には植えたばかりの苗が揺れる。水田に満たされた水に光が反射して、キラキラと目を刺激する。
 ふと水音がしたと思うと、川から河童が上がってくるところだった。口には魚をくわえ、これから食事らしかった。
 きゃっきゃっと子供の声がする。
 子供たちは河童を見つけたらしい。声をあげて走っていった。
 薬売りは、信じられない面持ちで、その子供たちと河童を見ていた。
 やがて、かれらは地に大きな円を描いた。その中央辺りに、二本の線を引いた。
 そして、河童と、一人子供が進み出、取っ組み合いを始めた。
 否、相撲だ。
 子供と河童が、相撲をとっているのだ。
 河童は強く、子供たちは太刀打ちできない。ころりころりところがされれては、めげずにまた掛かっていく。しまいには、二、三人の子供が束になってかかっていっていた。
 ほほえましいと、思った。

 あぁ、そうだ。
 そういえば。
 あの淵は、河童ヶ淵と言った。
『昔は河童がいたという伝説があるんです』
 あの太郎とかいう子供の父親の言葉が、脳裏をよぎった。
 あぁ、そうか。
 あの妖は、ずっと、この地で。
 春と夏は川で。
 秋と冬は、山で。
 あの村の人と、共に、生きてきたのか。
 今も、なお。
 ずっと。
 忘れられても。
 ずっと。
 ずっと。



「薬売り!!まだか!!」
 結界を支え続ける幻殃斉の上ずった声に、薬売りは現実に戻ってきた。
「・・・・・河童・・・いや、山童よ・・・」
 薬売りは、紅葉の刃の隙間に見える赤黒い姿を見た。
 その目は血走り、そして。
 しずくが、ながれていた。
「お前の、真と、理・・・・」


しかと、受け取った。

 カチン。





つづく

切り所がなくてこんなんなっちゃったー(なっちゃったーじゃねぇよ
2007.10.06 
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